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布地を黒板化するインク開発秘話その2

布地を黒板化するインク開発秘話その2

布地黒板化インクの開発スタート!

とにかく自作で黒板をつくる!

調査研究も終盤に差し掛かってきたところで、黒板づくりをしてみることにしました。
市販品として専用の黒板塗料があり、用途としては木材、石膏ボード、コンクリートなどにローラーやスプレーなどで塗布することで黒板化するものでした。

黒板塗料を木材やMDF、その他に塗布することで黒板としての機能を持つ『黒板』となり、一般的に販売されている製品とさほど遜色のない仕上がりになりました。

でも…、布地を黒板化する塗料がない!ない!ない!

塗料メーカーに問い合わせてみるもそのような塗料は作っていないということでした。

作っていない、「ない」?!なら作るしかない!!!的な!

しかし、僕にはそれに携わる時間がない!ということで、研究開発に取り組めず、そのまま放置プレイすること、数年経ってしまいました。
「人はいつか死ぬ」ということで、自分の中に常にある“いつかやる”リストを少しでも減らそうとようやく去年末、2017年末から再び取り組むことに…

数年も経ってしまったので、その間、塗料メーカーから販売されているとかないのかな?と調べるも、やはり販売等はありませんでした。
需要がないのかもしれません?!

それでも「ない」なら作るしかないので、ここで本格的に開発スタートです。

黒板付きのTシャツなど布製品があるとのことで、これらも入手し、調査しました。
しかし、単にシルクスクリーンでそれ用のインクをベタ塗りしただけの「なんちゃって感」が抜けない製品で、黒板には最低限必要な『ザラつき感』が全くありませんでした。
つまり、ホンモノの布地を黒板化する専用塗料がないのです。

布地を黒板化するインクに課せられた条件

布地を黒板化するにはいくつかの条件をクリアする必要があります。

その条件とは、

・ザラつき感
・洗濯可能
・洗濯後もザラつき感に変化なし
・書くための多少の硬さは必要だけど、あまりごわつかない
・ちゃんと黒板消しで消せる
・さらにちゃんと消したい時は水拭きができる

などでした。

布地を黒板化するのだから、洗濯は避けられないでしょう。
試しに木材やコンクリートなど向けの黒板塗料を布地に塗布してみました。結果的にはダメでした。全然使い物になりません。
製品には「用途や目的」が定められているので、それ以外の使い方はリスクでしかありません!w
もちろん、洗濯などありえませんでした。

その後、シルクスクリーン向けのインクの調査研究をしましたが、このインクだけを使用して塗布した場合も予想通り「なんちゃって感」のある仕上がりでしかありませんでした。それも「用途や目的」とは違う使い方なので、仕方ありません。

「染まる」ではなく「乗る」?!

布地に塗布して「染まる」のではなく「(インクが)乗る」イメージで水性塗料や油性塗料その他、様々な混合剤を準備し、混ぜながら開発に取り組みました。
「染まる」のではなく「乗る」、このイメージは重要なポイントだと感じ、ようやくある塗料と混合剤、その他を混ぜることで条件を満たすインクができました。
しかし、ここからが問題で『ザラつき感』はザラつき過ぎてもダメで、もちろん、無さ過ぎてもダメです。
ちょうどいい感じのザラつき感を出すための配合量のスウィートポイント、つまり、このベストな比率を出す旅がスタートです。

成功への条件、それは配合のベスト比率

何十通り、何百通りのパターンを作りましたが、寝ているときに、これがスウィートポイントでは?と思う数字が思い浮かび、その比率で取り組むとまさに思ったとおりのザラつき感が出てきました。

あとは洗濯の可否、洗濯後のザラつき感も調べるため、何度も何度も洗濯してみましたが、ここは問題なくクリアでした。
もちろん、黒板消しでも消すことも可能ですし、その感触もホンモノそっくりの「感触」です。

セレンディピティと言うには、さすがに大げさ過ぎですが、意外にふとした瞬間に思い付くものだと思いました。

ようやく“布地を黒板化するインク”の開発はできたので、黒板の手書きの魅力を伝えるツールにもなると思うので、様々なカタチで普及させたいなと思います。